Now Loading...
収監7年目のアンナは母親の訃報を受け、3日間の外出が許される。葬儀に向かうシアトル行きのバスに駆け込んできたフンは初対面のアンナにバス代を借りる。女たちにエスコートサービス提供している彼は、何者かに追われている様子。フンは借金の代わりにとアンナに無理やり自分の腕時計を託すが、アンナはぶっきらぼうに背中を向ける。久しぶりの帰郷にも疎外感を感じるアンナはシアトルを去ろうと向かったターミナルでフンと再会する。そして戯れのように二人の一日が始まるのだが…
フィルムが遺失してしまった1966年のイ・マニ監督の『晩秋』は韓国映画至上、最高傑作と評され、これまでに4度リメイクされている。
1972年には日本でも『約束』(斎藤耕一監督)として主演は荻原健一と岸恵子で製作。
1975年は前衛的なスタイルのキム・ギヨン監督によって『肉体の約束』として、1981年には文芸映画の巨匠キム・スヨン監督によって『晩秋』のタイトルで製作されている。いずれも当時を代表する監督らを魅了し続けた『晩秋』のストーリーと登場人物は、同じ話をモチーフにしているとは思えないほど色彩濃い映画として、また当時のスターを起用することでも注目されてきた名作である。
2011年版の本作では、『ラスト、コーション』(’07)でセンセーショナルなスクリーンデビューが絶賛され、今や中国を代表する女優となったタン・ウェイをヒロインに迎え、2002年のスクリーンデビューから着実に演技の幅を広げているヒョンビンとの国境を越えたラブロマンスとして描かれている。
メガホンをとったのは、一見バラバラなようだった物語が繋がりを見せる独特な構成と上手い役者たちの豊かな演技が際立った秀作『家族の誕生』(’06)のキム・テヨン。
二人の短かくも強烈なラブストーリーは、雨と霧の街シアトルに溶け込んでしっとりと描かれている。
第61回ベルリン映画祭フォーラム部門出品
2010トロント国際映画祭正式出品
主演:ヒョンビン タン・ウェイ
監督・脚本:キム・テヨン 原作:キム・ジホン 撮影:キム・ウヒョン
美術:リュ・ソンヒ 音楽:チョ・ソンウ プロデューサー:イ・ジュイク、Nansun SHI, Woo CHO
2010年/韓国香港米国合作/カラー/113分/原題:만추 /英題:Late Autumn
配給:スプリングハズカム
©Boram Entertainment Inc. All Right Reserved.