預言者

ストーリー

19歳の無垢な青年が己の頭脳と才覚だけを武器に過酷な刑務所を生き抜く

無学で身寄りのない19歳のアラブ系青年のマリクは傷害罪で禁固６年の判決を受け、中央刑務所に送られてくる。刑務所の中は、様々な民族や宗教が入り混じるモザイクの様相を呈していた。
ある日、マリクは刑務所を支配する最大勢力のコルシカ系マフィアのボス、セザールに殺しを依頼される。これを拒むマリクだが、セザールは指示に従わない者を徹底的に痛めつける冷酷は男だった。苦悩の末「任務」を果たすことに成功したマリクは、セザールの手下となり読み書きを覚え、生き延びる為にビジネスのやり方を身につけると、徐々に独自の人脈を築いて行く。

作品解説

『天使が隣で眠る夜』（‘94）『リード・マイ・リップス』（’01）『真夜中のピアニスト』（’05）などで犯罪者たちの人間ドラマを描き数々の賞賛を受けたジャック・オディアールは本作で、未熟な若者が刑務所という極地の中で生きる術を習得し力強く成長してゆく様を繊細に描いた。
キャストはコルシカ系マフィアのボスを演じたニエル・アレストリュプ以外は殆ど無名の俳優を使い、本物そっくりに作られた刑務所セットなど、ジャック・ベッケル監督の名作『穴』を彷彿とさせるプリズン・ドラマの傑作として世界各国で絶賛を浴びた。
本作で本格的に映画デビューを果たしたタハール・ラヒムは本作の演技によってセザール賞主演男優賞と新人賞のセザール史上初のダブル受賞を果たし、次世代の映画スター候補として注目されている。凄惨なプリズン・ドラマであるにもかかわらず、ラストシーンは爽快感と幸福感に満ち溢れ、ある男の人生の軌跡を見届けた深い感動を覚える。

第62回カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
第82回米アカデミー賞外国語映画部門ノミネート
第53回ロンドン国際映画祭最優秀作品賞受賞
第67回ゴールデン・グローブ外国語映画賞ノミネート
第35回セザール賞最多９部門受賞（作品・監督・主演男優・助演男優・脚本・撮影・編集）
第22回ヨーロピアン・フィルム・アワード主演男優賞受賞
2009ルイ・デリュック賞最優秀作品賞受賞
2009英国アカデミー賞外国語映画賞受賞

35mmフィルムでの上映が可能です

主演：タハール・ラヒム　ニエル・アレストリュプ　レダ・カデブ
監督：ジャック・オディアール　　脚本：アブデル・ラウル・ダブリ、ニコラス・プフェリ
脚色：ジャック・オディアール、トーマス・ピデガン
撮影：ステファーヌ・フォンティーヌ　　音楽：アレクサンドラ・デスプラ

2009年/フランス映画/150分/カラー/シネマスコープ/原題：“Un Prophète”
配給：スプリングハズカム
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